March 20, 2006

ナルニア国物語 第1章/ライオンと魔女 The Chronicles of NARNIA: The Lion, The Witch and The Wardrobe(2005)

 原作のファンとしては、ついにナルニアの映像が見られるという期待でいっぱい。原作にも雰囲気のある挿絵がついてるし、文章でもその様子はしっかり描かれていてイメージできるんだけど、「指輪」のように圧倒的なCGの説得力というのはすごかったので、ほとんど同じスタッフで創ったナルニアの映像世界はそりゃあ見てみたいですよ。

 テントからアスランが登場するシーンでは、感動する場面ではないのに涙がポロポロ。やっとアスラン様のお姿を拝めたという勝手な感動で泣いちゃったよ、もー。でも、声がリーアム・ニーソン(クワイ=ガン・ジン)で、イメージしてた声よりも頼りない感じ〜。

 いろんな意味で「指輪」と比べてしまうけど、こっちは「お子様向け」であるという基本線をしっかり守って作られた「ディズニー映画」です。戦闘シーンもあるけど、血は流れないし、ブスっとかグサっとかいうシーンはありません。非常にあっさりと勝敗がつきます。悪者たちもいろんなクリーチャーが登場しますが、ホンマに悪そうなヤツというよりもどこか間の抜けた感じがします。もの言う獣(けもの)たちもリアルというよりもきれいです。(キツネだけは昔の東映のマンガみたいでしたが…。)
 ペベンシー兄弟の子どもたちは、見るからに素人っぽくて逆によかったですね。もともとこの子たちは特別な子ではなく、普通の子どもなんですから。

 超有名なお話でストーリーはほとんどの子が知っているだろうから、それを分かりやすく美しく映像化して見せてあげようという「親切な」映画だなーと思いましたね。でも、やっぱり原作どおり「キリスト教臭さ」がぷんぷんでした。

(Movie Review Point ☆☆☆☆)

March 19, 2006

カンパニー・マン CYPHER(2002)

 わっけ分からんーっ!て思いながら見てたけど、飽きる程退屈なわけでもなく、何だ?これ、何で?これ…とか、だんだん引き込まれて、最後は「へーっ!」ゆうて終わる映画。洗脳、二重スパイ、ハイテク、モノトーン、SF。そういう要素な映画です。

 最初はミスター・ビーンみたいなサラリーマンが、だんだんスパイ戦争に巻き込まれて、最後に正体が分かったとたんにジェームズ・ボンドみたいなカッコよさになって、ビルをドカーン!って、アンタ、その変身はなによ!

 SFチックな映像がなぜか60年代頃の安っぽさなのが、とてもいい雰囲気でした。

(DVD Review Point ☆☆☆)

March 11, 2006

アウトブレイク OUTBRAKE(1995)

 ボクの「何回見ても面白くて、また見たくなる映画ベスト10」に入る作品。いや〜、ホンマに何回見てもおもしろい。

 目に見えないウイルスの恐怖を素晴らしいカメラワークで映像化に成功。そこへ軍事サスペンスの要素も取り込み、アクションものとしても楽しめる。ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソの別れた夫婦が必死にウイルスに立ち向かう様が感動的。モーガン・フリーマン、ドナルド・サザーランドの軍内部の陰謀もゾゾッと来る。ケヴィン・スペイシーのちょいとイカれた軍医のセリフも楽しいし、キューバ・グッディングJr.のういういしさもいい。役者さんの名前は知らんけど、大統領補佐官?の会議での鬼気迫るスピーチも見せ場の一つ。

 感染したお母さんが家族に別れを言って表に出ると、そこには救急車ではなく、完全武装した兵士と陸軍の護送車が待っているという恐怖。このシーンはぐっと来るなあ。その後、そのお母さんは血液検査をされ、病人を収容する簡易キャンプのようなところへ連れて行かれるんやけど、このへんのリアルさがこの映画を本物っぽくしている。かなり大事なシーン。ウォルフガング・ペーターゼン監督、よくぞこのシーンをカットせんかった。

 鳥インフルエンザがヒトからヒトへ感染するようになったら、こんなことが現実に起こるかもしれんなーと思って見ると、めちゃ怖いです。

(DVD Review Point ☆☆☆☆☆)