July 20, 2006

テルマ&ルイーズ THELMA & LOUISE(1991)

 今さらゴチャゴチャ言う必要のない「偶然転落型ロードムービー」の傑作。ボク的にも好きな映画ベスト10に入るほどの名作。91年製作なんだけど70年代ニューシネマっぽい雰囲気むんむんです。
 旅の出発点がいまいちどこだか分からんのだけど、アーカンソーあたり出発で、テキサスを通らないでメキシコに逃げるというルート。ドライブしてみたいですねえ。オクラホマからニューメキシコを抜けてアリゾナへ。なぜか南下しないで最後はグランドキャニオン。死に場所としては最高だわさ。
 リドリー・スコットの趣味か、土の色はかなり赤く、ほこりはもうもうと、夜景は幻想的になぜかライトアップされて、大きな画面でまた見たいですね。

 ケンカしながらも、事件にまきこまれ?ながらも、どちらかがガックリしてる時にはなぜかもう一方がガンバれる、という二人の表情(演技?)が素晴らしいです。最初の殺人はかわいそうだったけど、コンビニ強盗、タンクローリー爆破は痛快、壮快です。

(DVD REVIEW POINT ☆☆☆☆)

July 17, 2006

アイデンティティー IDENTITY(2003)

 こわい、こわいー!おもろーい!ようできた話や!

 ある嵐の夜、10人の訳ありキャラクターたちが、とあるモーテルに集まって来る。再婚した夫婦とその子ども。その夫婦の奥さんを車ではねてしまった運転手と女優。車が故障して乗せてもらった商売女。さらに洪水で立ち往生した新婚カップル。囚人を護送する警官。そしてモーテルのオーナー。そして、一人ずつ殺されて行く!
 誰が犯人か?その動機は?全く分からないまま、その10人はなぜか誕生日が同じ5月10日で名前に州の名前がついているという共通点が…。

 おもろい!こわい!脚本がようできてる!!

 まあ、レイ・リオッタが一番怪しかったんやけど、最後に真犯人が分かる大ドンデン返し。へ〜〜〜〜っ!!

(DVD Review Point ☆☆☆★)

July 13, 2006

フェスティバル・エクスプレス FESTIVAL EXPRESS(2003)

 1970年、カナダを横断するように貸し切り列車が走った。乗っているのは60年代後半の超売り出し中のミュージシャンたち。列車の中でも豪華なセッションを繰り広げながら、各地でコンサートをしていくという企画。とんでもない話やな。たぶん当時としても主催者側は儲からんかったやろなあ。大赤字やで。ミュージシャン以外にも訳の分からん奴ら(あれはスタッフ??)も乗っていたようで、たぶんセッションもやったやろうけど、酒とドラッグとフリーなんとかの世界やったんやろなあ。酒池肉林。むちゃくちゃやろね、当時のミュージシャンなんて。

ジャニス・ジョプリンの「クライ・ベイビー」ええなあ、やっぱりー。この後すぐ死んだんちゃう?「テル・ママ」もすごい。この人、死ねへんかったら今どんな音楽やってたやろなあ。残念やなあ、ほんまー。何がすごいて、声量とリズムやな。
ザ・グレイトフル・デッドはやっぱり正体不明。何でええのか全然理解できまっせーん。
ザ・バンドのレコードはシブいけどライブはかなり荒くたい。若いときやからじゃなくて、「ラスト・ワルツ」の時でもかなり荒くたかったで。ロビー・ロバートソン、弾きまくり。「ザ・ウェイト」のイントロ、へたっぴー。
マシュマカーン…誰?なんか大昔のヒット曲の人とちゃう?
バディ・ガイの「マネー」カッコよかった。
フライング・ブリトー・ブラザーズって、いつからこの発音になったん?ボクらの頃はフライング・バリット・ブラザーズって呼ばれてたでー。バッファロー・スプリングフィールドみたいな演奏だ。
シャ・ナ・ナ、おいおい、アホの一つ覚えってアンタらのことかいな。

 エンドロールでニューライダース・オブ・ザ・パープルセイジの歌声が聞こえて来るんやけど、メンバー的にはガルシア・ファミリーやから一緒に乗ってたということかいな?

 列車の窓から見える風景がメッチャ70年代や〜。

(DVD REVIEW POINT ☆☆☆)

July 12, 2006

ミッション・インポシブル3 M:i:3(2006)

 おもしろかった〜っ!

 いきなり緊迫のシーン。妻を人質にとられ、お前の頭には爆弾をしかけた。ブツはどこだ!!シラン!!あ、そう、じゃあ、お前の目の前で女は殺すぞ。やめろーっ!ここで「スパイ大作戦」のテーマ!カッコええ〜っ!!

 結婚目前のイーサンも現場を離れて後進の指導員。手塩にかけて育てた女性エージェントが捕まったってんで救助だー!しかし、頭に爆弾を仕込まれた彼女を救うことはできなかった。ちっくしょー!ってんで、この悪の親玉を拉致に出動。バチカンでのミッションはまさに「スパイ大作戦」だ。お芝居あり、変装あり、お色気あり、緻密な計画ですんなり成功。
 ところが親分を護送中、「トゥルー・ライズ」のブリッジで襲われて親玉は逃げちゃう。イーサンの彼女も即人質に。そしてイーサンは内部の裏切り者の容疑をかけられる。早く行かないと彼女の命が〜!!ここからイーサンの「24(TWENTY FOUR)」の始まり。もう「スパイ大作戦」じゃあありません。
 走る走る、飛ぶ飛ぶ、落ちる落ちる、一人がんばるイーサン。ホンマにカッコいい。上海が舞台でジャッキー・チェンのようなアクションでビルの屋根も滑り落ちます。
 悪者が売りさばこうとしていた謎の「ラビット・フット」というモノは一体何だったのか不明ですが、形はオキシジェン・デストイヤーのようなモノでした。車にひかれても壊れない頑丈なもんです。ゾウが踏んでも壊れない筆箱みたいなもんか?

 悪者の親分がフィリップ・シーモア・ホフマンで、こんないい役者さんがこんな悪もん役でええのん?もったいない。そういえば「スーパーマン」の新作の悪者がケビン・スペイシーなんだよね。これももったいない。ケニアのマータイさんが怒ってくるで。

 しかし、エージェントやってて普通の結婚生活は無理でしょうなあ。次の「4」は日本で撮りたいとかゆうてるけど、イーサンは離婚してるという設定になるんでしょうか?

(Movie Review Point ☆☆☆☆★)

July 8, 2006

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 WALK THE LINE(2005)

 ジョニー・キャッシュの売り出しの頃は、ロイ・オービソンがおったり、ジェリー・リー・ルイスがおったり、プレスリーもおったりした時代やってんなー。カントリーもロカビリーもロックンロールもいっしょくたになってツアーに出ていたんやなー。そういうのん初めて知ったわ。
 ドラッグでへろへろになった後、復活する頃は「ディランもエレキ、バーズもビートルズもエレキだ」とCBSレコードの偉い人たちがゆうてるような時代やったんや。
 それからず〜っとつい最近まで現役だったジョニー・キャッシュの波瀾万丈の人生を映画化。いろいろあるんやけど、残念ながらジーンときて涙ぐませるようなシーンはなかったなあ。兄ジャックの突然の死がかわいそうやったけど。

 ミュージシャンという人種にとっては結局のところ、「ウォーク・ザ・ライン(まっすぐ歩く→まっとうに生きる)」することは難しいってことなんでしょうか?

(DVD REVIEW POINT ☆☆)

July 7, 2006

ハイ・フィデリティ HIGH FIDELITY(2000)

 オタクなダメ男、ジョン・キューザックの「ボクってなんでこうもフラれ続けるのか?」を考察する映画。男が主人公のくっだらん恋愛モノ!しかし、世の男どもはきっと誰もが「これってオレのことじゃん」って思ってしまう変な説得力のある映画だ。

「スクール・オブ.ロック」のジャック・ブラックがめちゃくちゃオモロイ!レコード屋さんの超オタク店員が完全にハマってた。最後にはマーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」までライブで歌っちゃう。カッコいい〜!

 A面の1曲目ベスト5とか、何々のときに聞く曲トップ5とか、めちゃオタクな選曲がたまらんぜ。音楽好きには見逃せない、しょーもないラブコメでした。

(DVD REVIEW POINT ☆☆)

インサイド・マン INSIDE MAN(2006)

 ニューヨークだ!ウォール街だ!連邦準備銀行だ!あの辺の地理には詳しいぜ!

 ウォール街のど真ん中、マンハッタン信託銀行で銀行強盗。予告編でもお馴染み「人質全員に同じ服を着せて、誰が犯人か、人質か分からない状態」の面白さ。ストーリーは書かずにおこう。

 スパイク・リーがニューヨークを超リアルに描いたとでも言おうか。銀行の中、外で起きること全てがニューヨークらしいのだ。ただ「ダウンタウン」を今だに「下町」と訳して字幕にする映画会社のエエ加減さ、なんとかならん?まあ、そんなことより笑えるシーンもいっぱいでハラハラとニヤニヤの連続だった。
 犯人の出した「クイズ」に警官・刑事らが答えるんやけど、ああだ、こうだ!いや、違う!オレが正しい!と言い合うシーン。SWATなんかがパパパっと配備されてNY市警もライフル構えてカッコええんやけど、そのすぐそばで非番(交代?)になった警官たちがスタバでコーヒー飲んでたり、野次馬用のバリケードを用意している消防隊員がくわえタバコで仕事してたり、人質の事情聴取では人質たちがホンマに勝手なやつらばっかりだったり、デンゼル・ワシントンの彼女の弟がろくでもない野郎だったり…。それぞれの細かいこだわりがリアルなニューヨークにつながっている。

 しかーし!最後が納得出来ん。っていうか、こうだったんだ!と確信できないままだから、スカっとせん!モヤモヤが残る。

 でも、犯罪ものなのに誰一人殺されなかったスマートさはよかったよ。

(Movie Review Point ☆☆☆★)
 

July 5, 2006

28日後 (28 days later ...)

 なぜか凶暴になって人を襲うようになるというウイルス。そんなもんあるかいな!でも、そのウイルスに感染したイギリス人は互いに殺し合い、ほとんどが避難。イギリス本土には感染者のみが闇にうごめいている。そんな悲惨な状況まっただ中、交通事故で昏睡状態になっていた若者が病院で覚醒する。

 目覚めた若者が見たものは「無音・無人・無機質なロンドンの街」このシーンは見事!お見事!すごい!怖い!

 あとはゾンビもののような展開。途中から「地獄の黙示録」みたいな軍の小隊が登場。ここから主人公のガリガリ・ランボーが軍隊とゲリラ戦を展開する。へーんなの!

(DVD Review Point ☆☆)

July 3, 2006

イン・ハー・シューズ IN HER SHOES(2005)

 いい映画です。あったかいです。心が洗われます。

 美貌だけが取り柄で男には困らないプー太郎マギーと、弁護士バリバリだけどモテないコンプレックス姉のローズ。お互いウソをつきあい、反発しあうけど、心のよりどころはお互いの存在という姉妹。
 前半は二人の葛藤。後半はマギーが「死んだ」と思っていたおばあちゃんに会うためフロリダに行って、老人ホームで精神が浄化されていって、姉とも和解するという、いわば「お約束・お決まり」パターン。
 日本映画でもありそうな物語だけど、そこはそれ、やっぱりアメリカのおばあちゃん&おじいちゃんはカッコいい。よく分かっていらっしゃる。セリフがにくいよ、この〜!

 マギーが老人ホームで出会った老教授に「難読症」だと見透かされ、それでも本を読む練習をし、だんだん上手になる。老教授が死んだ朝、その息子が来てマギーに「あなたがマギーだね」というシーン。ああ、老教授は息子に「こんないい娘さんがいるんだよ」と話していたんだなーと思うと泣けて来た。姉の結婚式ですらすらと詩を朗読するマギー。ここはやっぱり映画だな〜と思っちゃう。

 全国の仲のいいお姉ちゃんと妹さんへ。この映画、見なさい。

 シャーリー・マクレーンが小森のおばちゃまみたいになってます。

(DVD REVIEW POINT ☆☆☆☆)