September 16, 2006

X−MEN:ファイナル・ディシジョン X-MEN:THE LAST STAND

 いや〜、映画館へ行くのもホンマに久しぶり。1ケ月ぶりでんがな。でも、我がワーナーマイカルシネマ東岸和田はボクをいつものように迎えてくれましたよ。巨大スクリーン独り占め(観客数ひとケタ)でした。

 さて、監督が変わって全体のトーンが「あっけらかん」としてしまった感のある第3作にして最終章。舞台はサンフランシスコのアルカトラズ島。おお、「ザ・ロック」の島ですよ。
 ここにミュータントを普通の人間にもどす薬を開発している施設があって、それをぶっこわしに悪者ミュータント集団ブラザーフッドがやってくる。そこで、人間との共存をめざす善玉ミュータントたちとの戦いがあるんだけど、最大の見せ場はゴールデンゲート・ブリッジをマグニート爺さんが念力でベリベリっとひきちぎって、アルカトラズまで歩いて行けるように橋の付け替えをするところ。「ぼく泳げないんだよー」と言う悪者ミュータントのために、それなら歩いて行けるようにと、優しいマグニート爺ががんばるのよ。おもろーい!

 前作で死んだジーンが生き返って、驚異的なパワーをみせつける。ジーンのパワーでピカード艦長もこなごなに消滅してしまうのだ!強し!でも最後はウルバリンが勝ってめでたしめでたし。
 これでX-MENも終わりなのかと思ったら、普通の人間に戻ったマグニートも消滅したはずのピカードも実は…というラストシーン。おいおい、まだ続くのか〜?

 原作のアメコミっぽい暗い雰囲気はなく、一回ぐらい死んでも本当には死なないヒーロー達の活躍が見れるんなら、次も期待しよう。

(Movie Review Point ☆☆☆★)

August 11, 2006

SAYURI (2005)

 芸者の世界なんてボクらにとっては全く異次元の世界。だからこの映画の世界は全くの異次元なわけで、そういう意味では「マトリックス」とか「スター・ウォーズ」と同じ。「へんな日本」であろうが、「なんで英語しゃべるんや?」でも結構楽しめた。

 でも、淡々とすすんでいく物語すぎて、ここがクライマックスというジーンとくるシーンもなく、漁師の子が置屋に売られて、ある時出会った男性に恋した女の子が芸者になって、ついにはその人と結ばれる(結婚じゃないよ)というハッピーエンドが全然感動的じゃない。

 おもろない映画だった!という一言。でも、チャン・ツィイーはべっぴん。
「おかあさん」「おねえさん」「おきや」「みずあげ」という日本語も英語として通用する日が来るかも。

(DVD Review Point ☆☆)

August 8, 2006

ファイヤーウォール FIREWALL(2006)

 ハリソン君のちょっとアクション映画。
 銀行のセキュリティー担当ハリソン君の家族が人質に取られて、ハリソン君が自分で作ったセキュリティーを破って、犯人の口座に送金する!自分で自分のセキュリティーをくぐり抜けられるのか〜!!っという見せ場も、「実はボクの銀行、もうすぐ合併して吸収されちゃうの。だから、侵入するべきサーバーはどっかへ移転されちゃってもうここにはないの。」だって。アホな犯人。用意するときに銀行の合併話ぐらい調べとけよ。

 とはいえ人質もとったことだし、なんとかせえよ!と言われて、ファックスの部品とiPodでシャッシャーと簡単にやっちゃう。なんじゃあ、アンタの作ったセキュリティーもたいしたことないんや。

 家族を人質に犯人に言う事聞かされるんやけど、最後は反撃に出て、ドンパチあって、家族を救い出すパパ。最近、こういう筋書きの映画、多くなったな〜。全部「24」の影響やなあ。名前までジャックやで〜。
 そのジャックの秘書が、これまた「24」のクロエ役やった人。「24」では人相悪かったけど、ここではなんとなく、レニー.ゼルウィガーに似てました。好印象。

 64才になったハリソン君、アクションはきつかったねえー。お疲れさん。

(DVD Review Point ☆☆★)

バッド・エデュデーション LA MALA EDUCACION(2004)

 「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」のペドロ・アルモドバル監督作品。
 ゴールデン・カップスの映画見に行った単館系映画館で次回公開はこれってポスターはってあったやつ。あのポスターの雰囲気では小学校5、6年ぐらいのかわいらしい男の子どおしの淡いホモ的恋愛ごっこなのかな?って思ってたけど、なんと、どろどろした男どおしの三角関係のもつれ!ウゲっ!

 映画としてはサスペンス&謎解きの面白さもあったけど、なんせオッサンと兄ちゃんのカラミなんて出てくるので見てられへん。ウゲっ!
 映画にはよく出てくるんだけど、外国の寄宿舎付きの神学校の神父さんってみんな、あんなん?ウゲっ!

(DVD Review Point ☆)

ゲド戦記 (2006)

 ジブリ作品にしては何とも「不親切」な映画でした。子どもと一緒に見に行ったお父さんも後で解説のしようがない。「ゲド戦記(アースシー物語)」の原作を読んでいる人には、それぞれの登場人物の正体なり過去を知っているので、いろんなセリフや行動パターンが何となく理解できる(とはゆうものの、原作とは全く別物のストーリーだけどね。なんで父親殺しまでやっちゃうのか理解不能!)んだけど、いきなり「アンチュアンの墓所」とか「まことの名」とか「ゴントの縦糸は…」とか言われてもさっぱりでしょう。ハイタカが魔法使いだって言われても、「指輪」のガンダルフみたいなイメージじゃないし、ただのオッサンやもんね。テナーとどうゆう関係じゃ?って説明もないし。

 ところが、さすがは?ジブリだけあって、膨大な量の原作の設定にはほとんど触れず、単純な「善対悪の戦い」に置き換えちゃう。「ナウシカ」っぽい雰囲気も漂わせながら見慣れたジブリ・キャラも登場するんで、ジブリ・ファンはちょっと安心。最後はボスキャラを倒してお仕舞いというお決まりパターンに持ち込んだのはちから技というべきか。でも最後の対決シーンは、デハヌーが「竜の子」だったってことをそれまでに全然匂わせてないから見てる人は「なんじゃこりゃ?」だったんじゃない?

 なんでこの原作を選んだのかが結局分からんかった。ゴロー氏のデビューにしては荷が重すぎた。「わんわん忠臣蔵」のリメイク程度から始めた方がよかったんではなかろーか。

 とはゆうものの出来としては、そんなにボロクソなもんではなかったよ。

(Movie Review Point ☆☆★)

August 5, 2006

スタンドアップ NORTH COUNTRY (2005)

「モンスター」でアカデミーを取ったシャーリーズ・セロンの社会派映画。北の国(北部の州・ノース・カントリー)で起こった全米最初のセクハラ裁判。
 炭坑で働くことになったジョージーに対するしつこい性的いやがらせの連続。田舎の町やから子どもの頃の噂とかちょっとした誤解とかでジョージーはどんどん「イヤな女」にされるし、職場ではひどい仕打ちを受けるわで踏んだり蹴ったり。で、会社を訴えてやる〜!なんだけど、これがなかなかうまいこといかん。
 最後には感動的にみんながスタンドアップして、めでたしめでたしになるんやけど、おもろなかった。

 映画なんだからさー、いっぱい嫌がらせを受けた女性職員たちが一致団結立ち上がって、悪者の男どもをやっつけるとか社長をギャフンと言わせるとか、そういうスカっとするような映画にするとか。社会派でいくんなら、もっと法廷モノで理屈でどんどん迫るとか。感動ものなら、お父さんとうまいこといってなかったけど、あの組合の集会での演説シーンでどかーんと泣かせるとか。ここやー!ゆうシーンがなかったのが残念。

 ボローミアのショーン・ビーン、ファーゴのフランシス・マクドーマン、お母さん役でなんとシシー・スペイセクという脇役陣をそろえたんなら、もっとええ映画にせなもったいないでー。

(DVD Review Point ☆☆)

シリアナSYRIANA(2005)

 しかし、シリアナって原題どおりだけど、えげつない題名やなあ。配給会社の人は「これ、やばいッスよ〜」とか思わんかったんでしょうかね。原作本は「CIAは何をしていた?」というタイトルにしたんだから、映画の方も考えりゃあええのに。

 中東の石油にまつわるややこしいお話。CIAのジョージ・クルーニー、石油会社に雇われた弁護士、石油王の王子に雇われた経済アナリストのマット・デイモン、職を失って洗脳されテロリストになるパキスタン人の若者。この4人のややこしいエピソードがばらばらにつなげられて、誰が誰で誰と誰がどうなってるのか、さっぱり分からんままダイクツに勝手に映画はすすむ。

 この映画で起こってるようなアメリカの石油会社の陰謀なんて、実はかわいいもんで、実際はもっと恐ろしいことを平気でやってるんやろなあ。そして、そんな許せない陰謀で人が殺されたり殺し合ったりしてる世界の上に、今の日本は成り立っているんだろうなあ。ガソリン代が140円を超えた〜!とか平和にゆうてるうちが花やで。「日本沈没」みたいにアメリカに切り捨てられたら、日本なんてホンマに沈没やで。なんか、イヤーな気持ちになった映画でした。こんな映画イラン。

 分からんのは、ジョージ・クルーニーが助演男優賞をとったけど、ほんなら主演って誰????ってこと。

(DVD Review Point ☆★)

日本沈没 (2006)

 監督→樋口真嗣&特技監督→神谷誠ときたら特撮映画ファンなら見に行かざるをえんでしょう。平成ガメラですがな。

 ところが、さっぱりダメでした。最初、阿蘇が噴火して、熊本城がドカーンとなって、石坂浩二首相がのったエアフォース・ワンがボカーンとなるとこまでは期待して見れたんやけど、その後、どんどんおもろなくなっていく。この首相の役は小林桂樹にやってほしかったなあ。
 大地真央大臣はキレイすぎたけど最後までがんばっていた。最後の演説シーンは全く感動できなかったけどね。
 ひどいのはクサナギ・イザナギくん。柴咲コウのセリフにいちいち「え?」って聞き返すのやめて。弱々しいったらありゃしない。そんなことじゃあ、こんな大災害が来たら一番最初に死んでまうでー。そういうボクも一番最初に死んでまうタイプやけど、絶対に潜水艦になんか乗らんで。
 トヨエツはクレイジー博士になりきってなかった。

 災害パニック映画を期待してたけど、日本が沈没する!っちゅうわりには、雰囲気がのべ〜っと緊張感ないし、沈没し始めてるのに主人公たちはあんまり慌ててないし、これだけ沈みましたよ〜という日本を宇宙から見た図も分かりにくい。どこにもパニックない。ラブストーリーかと思えば、こんな煮え切らん男になんで柴咲コウはほれたんや?と思うし。

 結局、沈没したのは監督の樋口シンジですから〜。残念!(古っ)音楽もサイテー。

(Movie Review Point ☆)

August 3, 2006

クラッシュ CRUSH(2004)

 2005年アカデミー作品賞・監督賞・編集賞受賞!?サンドラ・ブロックの出てる交通事故の映画??監督は「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本を書いた人?…ぐらいの予備知識で見た。

 ガーン! これはやられた。 映画を見て初めて、怒りに震えて叫びながら泣いてしまった。ショッキングな映画だった。

 舞台はロサンゼルス。ロスなんて何回も行ったことあるし、ウチの兄ちゃんは留学して卒業してからもそこで仕事してた。でも、この映画見たら、アメリカには行きたくないなと思ってしまうほど、人種差別ゆうのがこんなにひどいんじゃと描かれている。映画だから極端な例としてやってる面はあるだろうけど、ニューヨークのある公園でヒスパニック系っぽい人(間違ってたらゴメン。これも人種差別か?)から「日本人なんか日本へ帰れ!」と言われた(英語で)ことはある。こんなにひどくはないと思いたいけど、映画の内容は悲惨。
 登場人物たちが人種差別的ないろんな事件(クラッシュ)でひどい状況になるエピソードが延々と続き、見てるのがイヤになり始めた頃からドラマは始まる。この人とあの人がこうつながって、こんな感動的なシーンが産まれるのか〜〜とか、あいつとこいつがつながって、こんなことになるのか〜〜とか、そういう「マグノリア」的な面白さがわいてくる。(アイツとコイツがくっついてこんな悪いこともするんか〜〜ゆうとこもあるけどね。)

 一方では絶対に許せない行為をする人たちが、ある局面では泣かせる行動をする。人間ってそういうもんなのかも。

 ボクが怒り泣きしてしまったシーンは一体どこだったでしょうっか?!「透明のマント」ですがな。アカン、アカン、お嬢ちゃん、出て行ったらアカンって、アカンって、アカンっゆうてんねん、バーン!うおーっ!!

 ドン・チードルさん、最後まで可愛そうやったなあ〜。

(DVD Review Point ☆☆☆☆)

July 20, 2006

テルマ&ルイーズ THELMA & LOUISE(1991)

 今さらゴチャゴチャ言う必要のない「偶然転落型ロードムービー」の傑作。ボク的にも好きな映画ベスト10に入るほどの名作。91年製作なんだけど70年代ニューシネマっぽい雰囲気むんむんです。
 旅の出発点がいまいちどこだか分からんのだけど、アーカンソーあたり出発で、テキサスを通らないでメキシコに逃げるというルート。ドライブしてみたいですねえ。オクラホマからニューメキシコを抜けてアリゾナへ。なぜか南下しないで最後はグランドキャニオン。死に場所としては最高だわさ。
 リドリー・スコットの趣味か、土の色はかなり赤く、ほこりはもうもうと、夜景は幻想的になぜかライトアップされて、大きな画面でまた見たいですね。

 ケンカしながらも、事件にまきこまれ?ながらも、どちらかがガックリしてる時にはなぜかもう一方がガンバれる、という二人の表情(演技?)が素晴らしいです。最初の殺人はかわいそうだったけど、コンビニ強盗、タンクローリー爆破は痛快、壮快です。

(DVD REVIEW POINT ☆☆☆☆)

July 17, 2006

アイデンティティー IDENTITY(2003)

 こわい、こわいー!おもろーい!ようできた話や!

 ある嵐の夜、10人の訳ありキャラクターたちが、とあるモーテルに集まって来る。再婚した夫婦とその子ども。その夫婦の奥さんを車ではねてしまった運転手と女優。車が故障して乗せてもらった商売女。さらに洪水で立ち往生した新婚カップル。囚人を護送する警官。そしてモーテルのオーナー。そして、一人ずつ殺されて行く!
 誰が犯人か?その動機は?全く分からないまま、その10人はなぜか誕生日が同じ5月10日で名前に州の名前がついているという共通点が…。

 おもろい!こわい!脚本がようできてる!!

 まあ、レイ・リオッタが一番怪しかったんやけど、最後に真犯人が分かる大ドンデン返し。へ〜〜〜〜っ!!

(DVD Review Point ☆☆☆★)

July 13, 2006

フェスティバル・エクスプレス FESTIVAL EXPRESS(2003)

 1970年、カナダを横断するように貸し切り列車が走った。乗っているのは60年代後半の超売り出し中のミュージシャンたち。列車の中でも豪華なセッションを繰り広げながら、各地でコンサートをしていくという企画。とんでもない話やな。たぶん当時としても主催者側は儲からんかったやろなあ。大赤字やで。ミュージシャン以外にも訳の分からん奴ら(あれはスタッフ??)も乗っていたようで、たぶんセッションもやったやろうけど、酒とドラッグとフリーなんとかの世界やったんやろなあ。酒池肉林。むちゃくちゃやろね、当時のミュージシャンなんて。

ジャニス・ジョプリンの「クライ・ベイビー」ええなあ、やっぱりー。この後すぐ死んだんちゃう?「テル・ママ」もすごい。この人、死ねへんかったら今どんな音楽やってたやろなあ。残念やなあ、ほんまー。何がすごいて、声量とリズムやな。
ザ・グレイトフル・デッドはやっぱり正体不明。何でええのか全然理解できまっせーん。
ザ・バンドのレコードはシブいけどライブはかなり荒くたい。若いときやからじゃなくて、「ラスト・ワルツ」の時でもかなり荒くたかったで。ロビー・ロバートソン、弾きまくり。「ザ・ウェイト」のイントロ、へたっぴー。
マシュマカーン…誰?なんか大昔のヒット曲の人とちゃう?
バディ・ガイの「マネー」カッコよかった。
フライング・ブリトー・ブラザーズって、いつからこの発音になったん?ボクらの頃はフライング・バリット・ブラザーズって呼ばれてたでー。バッファロー・スプリングフィールドみたいな演奏だ。
シャ・ナ・ナ、おいおい、アホの一つ覚えってアンタらのことかいな。

 エンドロールでニューライダース・オブ・ザ・パープルセイジの歌声が聞こえて来るんやけど、メンバー的にはガルシア・ファミリーやから一緒に乗ってたということかいな?

 列車の窓から見える風景がメッチャ70年代や〜。

(DVD REVIEW POINT ☆☆☆)

July 12, 2006

ミッション・インポシブル3 M:i:3(2006)

 おもしろかった〜っ!

 いきなり緊迫のシーン。妻を人質にとられ、お前の頭には爆弾をしかけた。ブツはどこだ!!シラン!!あ、そう、じゃあ、お前の目の前で女は殺すぞ。やめろーっ!ここで「スパイ大作戦」のテーマ!カッコええ〜っ!!

 結婚目前のイーサンも現場を離れて後進の指導員。手塩にかけて育てた女性エージェントが捕まったってんで救助だー!しかし、頭に爆弾を仕込まれた彼女を救うことはできなかった。ちっくしょー!ってんで、この悪の親玉を拉致に出動。バチカンでのミッションはまさに「スパイ大作戦」だ。お芝居あり、変装あり、お色気あり、緻密な計画ですんなり成功。
 ところが親分を護送中、「トゥルー・ライズ」のブリッジで襲われて親玉は逃げちゃう。イーサンの彼女も即人質に。そしてイーサンは内部の裏切り者の容疑をかけられる。早く行かないと彼女の命が〜!!ここからイーサンの「24(TWENTY FOUR)」の始まり。もう「スパイ大作戦」じゃあありません。
 走る走る、飛ぶ飛ぶ、落ちる落ちる、一人がんばるイーサン。ホンマにカッコいい。上海が舞台でジャッキー・チェンのようなアクションでビルの屋根も滑り落ちます。
 悪者が売りさばこうとしていた謎の「ラビット・フット」というモノは一体何だったのか不明ですが、形はオキシジェン・デストイヤーのようなモノでした。車にひかれても壊れない頑丈なもんです。ゾウが踏んでも壊れない筆箱みたいなもんか?

 悪者の親分がフィリップ・シーモア・ホフマンで、こんないい役者さんがこんな悪もん役でええのん?もったいない。そういえば「スーパーマン」の新作の悪者がケビン・スペイシーなんだよね。これももったいない。ケニアのマータイさんが怒ってくるで。

 しかし、エージェントやってて普通の結婚生活は無理でしょうなあ。次の「4」は日本で撮りたいとかゆうてるけど、イーサンは離婚してるという設定になるんでしょうか?

(Movie Review Point ☆☆☆☆★)

July 8, 2006

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 WALK THE LINE(2005)

 ジョニー・キャッシュの売り出しの頃は、ロイ・オービソンがおったり、ジェリー・リー・ルイスがおったり、プレスリーもおったりした時代やってんなー。カントリーもロカビリーもロックンロールもいっしょくたになってツアーに出ていたんやなー。そういうのん初めて知ったわ。
 ドラッグでへろへろになった後、復活する頃は「ディランもエレキ、バーズもビートルズもエレキだ」とCBSレコードの偉い人たちがゆうてるような時代やったんや。
 それからず〜っとつい最近まで現役だったジョニー・キャッシュの波瀾万丈の人生を映画化。いろいろあるんやけど、残念ながらジーンときて涙ぐませるようなシーンはなかったなあ。兄ジャックの突然の死がかわいそうやったけど。

 ミュージシャンという人種にとっては結局のところ、「ウォーク・ザ・ライン(まっすぐ歩く→まっとうに生きる)」することは難しいってことなんでしょうか?

(DVD REVIEW POINT ☆☆)

July 7, 2006

ハイ・フィデリティ HIGH FIDELITY(2000)

 オタクなダメ男、ジョン・キューザックの「ボクってなんでこうもフラれ続けるのか?」を考察する映画。男が主人公のくっだらん恋愛モノ!しかし、世の男どもはきっと誰もが「これってオレのことじゃん」って思ってしまう変な説得力のある映画だ。

「スクール・オブ.ロック」のジャック・ブラックがめちゃくちゃオモロイ!レコード屋さんの超オタク店員が完全にハマってた。最後にはマーヴィン・ゲイの「レッツ・ゲット・イット・オン」までライブで歌っちゃう。カッコいい〜!

 A面の1曲目ベスト5とか、何々のときに聞く曲トップ5とか、めちゃオタクな選曲がたまらんぜ。音楽好きには見逃せない、しょーもないラブコメでした。

(DVD REVIEW POINT ☆☆)

インサイド・マン INSIDE MAN(2006)

 ニューヨークだ!ウォール街だ!連邦準備銀行だ!あの辺の地理には詳しいぜ!

 ウォール街のど真ん中、マンハッタン信託銀行で銀行強盗。予告編でもお馴染み「人質全員に同じ服を着せて、誰が犯人か、人質か分からない状態」の面白さ。ストーリーは書かずにおこう。

 スパイク・リーがニューヨークを超リアルに描いたとでも言おうか。銀行の中、外で起きること全てがニューヨークらしいのだ。ただ「ダウンタウン」を今だに「下町」と訳して字幕にする映画会社のエエ加減さ、なんとかならん?まあ、そんなことより笑えるシーンもいっぱいでハラハラとニヤニヤの連続だった。
 犯人の出した「クイズ」に警官・刑事らが答えるんやけど、ああだ、こうだ!いや、違う!オレが正しい!と言い合うシーン。SWATなんかがパパパっと配備されてNY市警もライフル構えてカッコええんやけど、そのすぐそばで非番(交代?)になった警官たちがスタバでコーヒー飲んでたり、野次馬用のバリケードを用意している消防隊員がくわえタバコで仕事してたり、人質の事情聴取では人質たちがホンマに勝手なやつらばっかりだったり、デンゼル・ワシントンの彼女の弟がろくでもない野郎だったり…。それぞれの細かいこだわりがリアルなニューヨークにつながっている。

 しかーし!最後が納得出来ん。っていうか、こうだったんだ!と確信できないままだから、スカっとせん!モヤモヤが残る。

 でも、犯罪ものなのに誰一人殺されなかったスマートさはよかったよ。

(Movie Review Point ☆☆☆★)
 

July 5, 2006

28日後 (28 days later ...)

 なぜか凶暴になって人を襲うようになるというウイルス。そんなもんあるかいな!でも、そのウイルスに感染したイギリス人は互いに殺し合い、ほとんどが避難。イギリス本土には感染者のみが闇にうごめいている。そんな悲惨な状況まっただ中、交通事故で昏睡状態になっていた若者が病院で覚醒する。

 目覚めた若者が見たものは「無音・無人・無機質なロンドンの街」このシーンは見事!お見事!すごい!怖い!

 あとはゾンビもののような展開。途中から「地獄の黙示録」みたいな軍の小隊が登場。ここから主人公のガリガリ・ランボーが軍隊とゲリラ戦を展開する。へーんなの!

(DVD Review Point ☆☆)

July 3, 2006

イン・ハー・シューズ IN HER SHOES(2005)

 いい映画です。あったかいです。心が洗われます。

 美貌だけが取り柄で男には困らないプー太郎マギーと、弁護士バリバリだけどモテないコンプレックス姉のローズ。お互いウソをつきあい、反発しあうけど、心のよりどころはお互いの存在という姉妹。
 前半は二人の葛藤。後半はマギーが「死んだ」と思っていたおばあちゃんに会うためフロリダに行って、老人ホームで精神が浄化されていって、姉とも和解するという、いわば「お約束・お決まり」パターン。
 日本映画でもありそうな物語だけど、そこはそれ、やっぱりアメリカのおばあちゃん&おじいちゃんはカッコいい。よく分かっていらっしゃる。セリフがにくいよ、この〜!

 マギーが老人ホームで出会った老教授に「難読症」だと見透かされ、それでも本を読む練習をし、だんだん上手になる。老教授が死んだ朝、その息子が来てマギーに「あなたがマギーだね」というシーン。ああ、老教授は息子に「こんないい娘さんがいるんだよ」と話していたんだなーと思うと泣けて来た。姉の結婚式ですらすらと詩を朗読するマギー。ここはやっぱり映画だな〜と思っちゃう。

 全国の仲のいいお姉ちゃんと妹さんへ。この映画、見なさい。

 シャーリー・マクレーンが小森のおばちゃまみたいになってます。

(DVD REVIEW POINT ☆☆☆☆)

June 18, 2006

ポセイドン POSEIDON(2006)

 オープニング、海の底から見たポセイドン号〜そのまま海の上に上がってポセイドン号の正面から側面〜そのままデッキを走る人物のアップ〜そして船の後ろへまわってクルっと一周して、さっきの走る男のアップへ〜というカットなしの撮影に唖然とした。どないして撮ってるんや!最近、オープニング・シーンはこういう長回しのシーンを使う映画が多くなって来たけど、何が原因?画期的な技術ができたってこと?CGとダブらせて繋いだら出来ることなの?ラジコン・ヘリによる撮影??誰か知りませんか〜?

 さて、始まって10分で船は沈没。大画面で見る超大津波?は大迫力。この監督、「パーフェクト・ストーム」でも海、波、水にこだわってたけど、今回はかなり本物の水で勝負したようね。CGじゃない感じがした。

 転覆して即「脱出組」が結成されるんだけど、メンバーが自分勝手な?やつらで「みんなで脱出するんだー」なんて気がなくて、自分だけ逃げたらええねんと、シラン顔して行きよる。ジーン・ハックマンみたいな牧師さんがおらんかったら、こんなもんなのかね。それぞれの人物のドラマなんて二の次で、パニックシーンの連続であっという間に「脱出成功」!時間にして98分の脱出劇!

 この「お手軽感」が、よかったのか悪かったのかは別にして、充分楽しめたパニック映画でした。エレベーターが落ちてきそうなハラハラシーンでは「シンドラー社のエレベーターや〜!」と思うと怖さも倍増。水にもぐるシーンで一緒に息を止めたりしたけど、ボクは毎回溺死してました。

(Movie Review Point ☆☆☆★)

June 7, 2006

ポセイドン・アドベンチャー THE POSEIDON ADVENTURE(1972)

 公開時、劇場でも見たし、テレビの洋画劇場でも見たし、ビデオも何回か借りて見たけど、新作「ポセイドン」の前にDVDでもう一度復習しておこう。

 本当のパニック映画の傑作、草分け的な王道映画です。

 ひっくり返るまでの船の上で、登場人物の背景となる人間ドラマがしっかりと描かれていて、キャラクターがはっきり分かって、その後の「アドベンチャー」での役回りが楽しい。こういう人物の描き方が最近のパニックものには薄いから感動まで持って行けないのだよ。そして、画面はずっと左右に揺れています。船だから。

 船がひっくり返る大食堂?の場面は「何でもかんでも逆さま感」がはっきりしていてよかったけど、どんどん上に逃げて行くにつれて「さかさま感」の面白さが無くなっていったのは残念。ときどき散髪屋とかトイレとかのシーンで「さかさま」なんですよって確認して見せたけど、逃げいて行くルートには「さかさま感」がなさすぎた。リメイクの「ポセイドン」ではどうなっているのか、そこが楽しみ。

 パニック映画でボクが大好きなスタローンの「デイライト」は、実はこの映画とまるっきり同じだったのね。再確認。

(DVD Review Point ☆☆☆☆)

May 21, 2006

ダ・ヴィンチ・コード THE DA VINCI CODE(2006)

 ダ・ヴィンチは、その微笑みに、何を仕組んだのか。

 このコピーといい、ポスターといい、原作本の表紙といい、予告編といい、全て「モナリザの微笑み」がメインのような錯覚を起こさせ、その「微笑み」の中に何か誰も知らないような、あっと驚く秘密が隠されているような暗示にかけられて、いそいそと映画館に行きましたが、この映画、そんな映画ではございません。

 イエス・キリストは神ではなく、一人の人間だった!という大胆な仮説。その証拠もちゃ〜んとある!という事実?

 こんなことが証明されたらキリスト教はひっくりかえる。だから、この事実を隠そうとする派と、この事実を悪用して儲けようとする派、さらにキリストの末裔を守ろうとする派。トム・ハンクスは学者として、その謎を解明して行く…。

 宗教なんてどーでもいい日本人にはピンとこないからか、謎解きの面白さに欠ける。トム・ハンクスとフランス人捜査官ソフィー(実は…だったとは!)の二人が賢い頭でどんどん謎を解いて行くのについていけない。おいおい、勝手に話をすすめんといてくれー。つじつま、あわんところもチラホラ。
 誰が味方で、誰が敵か、というどんでん返しはあるけど、だから何なのよ?って感じで、「なーるほど!」と膝をたたいて感心するほどじゃない。
 が、画面は非常に美しかった。ルーブル、行って見たいねー。

 スパイダーマンのタコ博士と、X-メンの親分も登場して、見るからに怪しい役どころでした。

(Movie Review Point ☆☆★)

May 13, 2006

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ HEDWIG AND THE ANGRY INCH(2001)

 東ドイツ生まれの少年が性転換手術に失敗して「1インチ」のモッコリが残っちゃった。ちくしょー!ってんで「アングリーインチ」。お母さんのパスポートをもらってアメリカへ。ヘドウィグはお母さんの名前。で、ヘドウィグ・アンド・アングリーインチというバンドの物語。

 グラム系といえばそれで終わっちゃうけど、登場する曲は素晴らしい。やっぱり自分のことを歌った歌は説得力あるのだ。ロックだねー。

 大昔の人間は顔が二つ、腕が4本、足も4本あって、ジェンダーは3種類。男ー男、女ー女、男ー女がそれぞれ裏表にはりついていた。でも神様が稲妻で人間の体をまっ二つに切り裂いた。だから?人間は今も自分の「かたわれ」を探し求めている。男が女を…男が男を…女が女を…。なーるほど。

 ロックな映画でした。

(DVD Review Point ☆☆☆)

May 6, 2006

夕陽のガンマン FOR A FEW DOLLARS MORE(1965)

 リー・バン・クリーフが渋くてカッコよすぎ〜。

 イーストウッドと靴の踏み合いをして、帽子をバキューンって撃たれて飛ばされて、それでも平然として帽子を拾いに行って、またバキューンって飛ばされて、でも何度かするうちに遠すぎて球が当たらなくなって、今度派逆にイーストウッドの帽子をバキューンって飛ばして、飛んだ帽子を空中で何度もバキューンバキューンって撃ち抜くというシーン。ほんまにカッコええわ。

 賞金稼ぎかと思われたリーバンさん、実は妹の仇を探し求めてたんですね〜。なーるど。

(DVD Review Point ☆☆☆☆)

May 5, 2006

パイ π PI(1997)

 SFだ!ってんで見たけど、これはスーパー・サイバー・サイコな恐怖映画か?全編ハイコントラストな白黒処理で、ザラザラ感たっぷり。天才数学者が216桁の数字の謎にせまる。そこへ絡んで来るユダヤ教の組織?と株で儲けようとする組織?

 なんてゆうたらええのか分からんが、最後までのめり込むように見てしまった。いわゆる「訳分からん、意味不明な映画」やけど、なんか怖いもの見たさという感じで、ちょっとドキドキしながらの90分でした。

 パイって、あの円の面積はπrの2乗のπです。

(DVD Review Point ☆☆★)

 

May 3, 2006

小さき勇者たち・ガメラ GAMERA(2006)

 いやぁ〜、期待を大きく裏切られました。よかったです。感心しました。
 子どもがぞろぞろ出てきそうだし、育てた亀がガメラだったなんて、『ガメラは実は亀なんだ!』というこれまでの「ガメラ映画」のタブーに挑戦したような設定だし、ガメラの造形もまるっこくミュータント・タートルズ丸だしだし、期待のキの字もなかったけど、やられました。

 そりゃまあ、平成三部作と比べちゃダメですよ。
 でも、73年に伊勢志摩を襲ったギャオスの群を殲滅するためにガメラが自爆して人間を守ったというオープニングシーン。なかなかググーっと引き込まれてしまいました。なんとなく今までよりちっちゃく感じるガメラでしたが、もうすでに体も顔も丸くなっちゃってて、見る影もありませんでしたが、それでも自爆という最終兵器が感動的です。
 そして、少年に育てられる亀のトト。意外とかわいかったけど、いきなり飛ぶのはどうでしょう?鼻とかなでられてクンクン鳴くはずないじゃん、亀なんだから。料理人のお父さんが落とした包丁を見て怒ったトトが火を吐くという、ギロンも草葉の陰で喜ぶネタで楽しませてくれます。
 突如、登場する人食い怪獣ジータス。イグアナ風でUSAゴジラまたはファイナル・ウォーズのジラを意識した新怪獣とどっかの橋の上で戦うシーン。この場所自体がUSAゴジラを意識してるよなあ。この戦いのシーンがめちゃリアルでカッコいい。体長8メートルのガメラがほんまにまだ子どもやのにようがんばった!
 ガメラの赤い石のお守りを子どもたちがリレーして運ぶのは意味不明だけど、なぜか感動のシーン。それを少年がポイと投げるとガメラがパクっと食べるという、なんともお子様チックな方法で、おそまつ!
 でも、その赤い石を食べたガメラはジェット噴射ができるようになって、ほとんど無敵。ジータスをビルの屋上からたたき落とすと、最後はプラズマ火球でとどめ。地球のマナを集めてパワーをたくわえる必要もなく、普通のプラズマ火球で倒せるというジータスの弱さにも助けられたか…。
 ガメラを逃がそうと子どもたちが通せんぼをするのはファイナル・ウォーズのパクリ。こんなシーンいらん。

 自衛隊(軍隊)も登場せず、政治家も登場しても何の意味もない、全く怪獣シュミレーションとは縁のない展開だったけど、子ども向けファンタジーとして見たら、そこそこよかったんとちゃう?

(Movie Review Point ☆☆☆)

April 23, 2006

アラモ THE ALAMO(2004)

 メキシコ軍対民兵200人。有名なアラモ砦の戦いを描いた歴史大作映画。デニス・クエイド、ビリー・ボブ・ソーントン(ロンゲで登場したから最初は誰か分からんかった)、ジェイソン・パトリック(お久しぶりネ)主演。

 まあまあ一生懸命作った映画っぽいけど、だるいだるい。残念ながら日本では登場人物3人のキャラクターなんか全然知らないから楽しめない。ヒューストン将軍がここであんなことゆってたのか〜とか、デビー・クロケットはこういういきさつでアラモ砦にやってきたのか〜とか、そういう興味が沸いて来ない。それぞれの人物への思い入れがない分、画面の迫力とか面白さとかを求めて見ちゃうから、なーんだ、あいそない!という結果になっちゃった。アメリカ本国ではそこそこ当たったのしら…。

(DVD Review Point ☆)

荒野の用心棒 A FISTFUL OF DOLLARS(1964)

 この頃のイーストウッドはかっこええなあ。ほとんど演技なんかしてないけど、存在そのものがかっこええわ。「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」のマーティーのあの仕掛けのオリジナルはこれなのだ!もしも相手が心臓狙わなかったら一巻の終わりやけどね。

 山田康夫さんの吹き替えで見たいもんです。

(DVD Review Point ☆☆☆☆)

April 16, 2006

スパイ・バウンド SECRET AGENTS(2004)

 フランスのスパイもの。「マレーナ」の超美人モニカ・ベルッチと「クリムゾン・リバー」のバンサン・カッセル主演。

 「マレーナ」ではホンマに美人すぎて声もかけられない程だったモニカさんも年には勝てず…老けちゃいました。

 あー、なんの見せ場もないダレたスパイものでした。つまらん、つまらん。往年のフランス映画の勢いはどうした!!

(DVD Review Point ☆…この星一つはチラっと見えたあのシーンのおかげです)

April 9, 2006

真夜中のカーボーイ MIDNIGHT COWBOY (1969)

 いや〜、こんなに孤独な人生ってあるのかねえ。涙も出ないくらい悲しすぎるよ。

 69年のニューヨークの殺伐とした雰囲気、プログレな風俗、フラッシュバックするテキサスでのトラウマ。どれもこれも心をホっとさせるところなんか何にもない。ただただ、フロリダへさえ行けばという、何の根拠もない夢だけがある。

 リアルタイムで見た時は「?」な映画だったけど、やっぱこれはスゴイわ。ジョン・バリーのメイン・テーマが悲しいなあ。

 突然、ニューヨークのテレビにウルトラマンのスカイドン(空からの贈り物)が映った!びっくりしたなあ、このシーンは。

(DVD REVIEW POINT ☆☆☆☆)

April 1, 2006

フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン(1965)

 久しぶりにまた見たくなった「フランケンシュタイン対バラゴン」実はめちゃくちゃダークなお話。

 ナチスドイツからフランケンの心臓が大日本帝国へ。広島の研究所で志村喬が「これを使って何をするかって?撃たれても死なない兵士を作るんじゃよ。」ひえ〜っ!『ビッグX』もびっくりの設定!そこへ原爆が!フランケンの心臓は放射能をたらふく浴びる。研究所にいっしょにいた土屋嘉男はぴんぴんして生き残り、秋田でバラゴンを発見!「ガメラ」シリーズの螢雪次朗さんと同じか?フランケンの子どもを研究することになった高島忠夫は他の東宝作品とは打って変わって冷血な科学者として登場。似合わない〜。水野久美はフランケンを「坊や」と呼んで可愛がる。この人「サンダ対ガイラ」でもそうだったけど、ゲテモノ趣味か。

 人間の形をしたフランケンと正面からは決して正視できないぶさいくさのバラゴンの戦いはすごい!後のウルトラマンの原型か?身長20mに合わせて作ったミニチュアがまた素晴らしい。火の海となった森をバックに繰り広げる死闘は大迫力。最後には首をへしおって勝利するフランケン。雄叫びをあげて地割れの中へ落ちて行くはずが、突如現れる大ダコ・スダール??アメリカ人向けに登場させたというタコには日本人は唖然。
 さらにタコもフランケンも湖に沈没するやいなや「撤収」する自衛隊!イラクからもこの勢いで撤収しちゃえば?

 ラスト。「フランケンは死んだのでしょうか?」との問いに答えるハリウッドの魅力、ニック・アダムス。「彼は所詮、怪物だ」(声は納谷悟朗、コンバットのヘンリー少尉だ)は、怪獣ものの永遠のテーマだ。

(DVD Review Point ☆☆☆)

March 20, 2006

ナルニア国物語 第1章/ライオンと魔女 The Chronicles of NARNIA: The Lion, The Witch and The Wardrobe(2005)

 原作のファンとしては、ついにナルニアの映像が見られるという期待でいっぱい。原作にも雰囲気のある挿絵がついてるし、文章でもその様子はしっかり描かれていてイメージできるんだけど、「指輪」のように圧倒的なCGの説得力というのはすごかったので、ほとんど同じスタッフで創ったナルニアの映像世界はそりゃあ見てみたいですよ。

 テントからアスランが登場するシーンでは、感動する場面ではないのに涙がポロポロ。やっとアスラン様のお姿を拝めたという勝手な感動で泣いちゃったよ、もー。でも、声がリーアム・ニーソン(クワイ=ガン・ジン)で、イメージしてた声よりも頼りない感じ〜。

 いろんな意味で「指輪」と比べてしまうけど、こっちは「お子様向け」であるという基本線をしっかり守って作られた「ディズニー映画」です。戦闘シーンもあるけど、血は流れないし、ブスっとかグサっとかいうシーンはありません。非常にあっさりと勝敗がつきます。悪者たちもいろんなクリーチャーが登場しますが、ホンマに悪そうなヤツというよりもどこか間の抜けた感じがします。もの言う獣(けもの)たちもリアルというよりもきれいです。(キツネだけは昔の東映のマンガみたいでしたが…。)
 ペベンシー兄弟の子どもたちは、見るからに素人っぽくて逆によかったですね。もともとこの子たちは特別な子ではなく、普通の子どもなんですから。

 超有名なお話でストーリーはほとんどの子が知っているだろうから、それを分かりやすく美しく映像化して見せてあげようという「親切な」映画だなーと思いましたね。でも、やっぱり原作どおり「キリスト教臭さ」がぷんぷんでした。

(Movie Review Point ☆☆☆☆)

March 19, 2006

カンパニー・マン CYPHER(2002)

 わっけ分からんーっ!て思いながら見てたけど、飽きる程退屈なわけでもなく、何だ?これ、何で?これ…とか、だんだん引き込まれて、最後は「へーっ!」ゆうて終わる映画。洗脳、二重スパイ、ハイテク、モノトーン、SF。そういう要素な映画です。

 最初はミスター・ビーンみたいなサラリーマンが、だんだんスパイ戦争に巻き込まれて、最後に正体が分かったとたんにジェームズ・ボンドみたいなカッコよさになって、ビルをドカーン!って、アンタ、その変身はなによ!

 SFチックな映像がなぜか60年代頃の安っぽさなのが、とてもいい雰囲気でした。

(DVD Review Point ☆☆☆)

March 11, 2006

アウトブレイク OUTBRAKE(1995)

 ボクの「何回見ても面白くて、また見たくなる映画ベスト10」に入る作品。いや〜、ホンマに何回見てもおもしろい。

 目に見えないウイルスの恐怖を素晴らしいカメラワークで映像化に成功。そこへ軍事サスペンスの要素も取り込み、アクションものとしても楽しめる。ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソの別れた夫婦が必死にウイルスに立ち向かう様が感動的。モーガン・フリーマン、ドナルド・サザーランドの軍内部の陰謀もゾゾッと来る。ケヴィン・スペイシーのちょいとイカれた軍医のセリフも楽しいし、キューバ・グッディングJr.のういういしさもいい。役者さんの名前は知らんけど、大統領補佐官?の会議での鬼気迫るスピーチも見せ場の一つ。

 感染したお母さんが家族に別れを言って表に出ると、そこには救急車ではなく、完全武装した兵士と陸軍の護送車が待っているという恐怖。このシーンはぐっと来るなあ。その後、そのお母さんは血液検査をされ、病人を収容する簡易キャンプのようなところへ連れて行かれるんやけど、このへんのリアルさがこの映画を本物っぽくしている。かなり大事なシーン。ウォルフガング・ペーターゼン監督、よくぞこのシーンをカットせんかった。

 鳥インフルエンザがヒトからヒトへ感染するようになったら、こんなことが現実に起こるかもしれんなーと思って見ると、めちゃ怖いです。

(DVD Review Point ☆☆☆☆☆)